美しい過ごし方のコツ

◎立ち方◎

まず立ち方ですが、”気を付け!”と号令かけられた時の姿勢は胸を張って顎引いて、これは固くて美しくありませんね。美しい立ち方は、その人の身長が一番高く見える姿勢です。背中を丸めると背は低くなり、胸を張って反り返っても低くなります。かがみも反りもしないど真ん中で、力を入れると縮むので力を抜いて上に伸びた感じ、頭が上から紐で釣り上げられた感じが一番縦長で力みのない自然な良い姿勢になります。力を使わないで上手に身体のバランスをとるコツを覚えてください。

 

◎座り方◎

次に座り方ですが、椅子に座った姿勢とソファーに座った姿勢と地べたに座った姿勢は、どれが一番美しいでしょう?もちろん椅子ですよね。座面が低くなればなるほど骨盤が後ろに傾いて背中が丸くなり、足も深く曲がって傾けたり開きたくなったりします。カウンターバーにあるような座面の高い椅子にチョコンと腰かけると背中も足もスッと伸ばしていやすいので美しくいられます。

 

◎寝方◎

次は寝方です、あおむけと横向きとうつ伏せはどれが美しいですか。もちろんあおむけですよね、白雪姫がうつ伏せでは嫌ですもんね。でも一晩中、寝返らずにあおむけでいる事出来るでしょうか?ここが難問で、立ち方座り方は意識でコントロール出来ますが、寝ている時はコントロール出来なくなりますね、それも結構長い時間。適正な寝姿を守る為には、その環境づくりが重要になります。例えば6時間同じ場所に立っていなければいけないとした時にその場所が、しっかりした固い床の上と、フワフワのマットの上とどちらが良いですか?柔らかい所は不安定なので身体を支えるのに筋肉をより使う事になります。柔らかいソファーって長い間同じ姿勢でいられませんよね、寝床も同様で、柔らかい寝具では落ち着かず寝返らないといられません。寝ている間は力を抜いている状態で、あちこち寝返っていると自分の体重で関節をあちこちに押し付ける結果となり身体が崩れてしまいます。起き抜けに身体がだるかったり痛かったり寝違えたりするのは寝方が悪いから。江戸時代の庶民はたくさん歩くし生活で身体動かしている時間が長いし、着物を着ていてあまり姿勢を崩さないので健康体だったに違いありません。江戸時代の人の寝床って固かったでしょうね、板の間か畳にせんべい布団敷いて、マゲを壊さないように高い枕使ってあおむけで。この状況寝返れませんね、つまり健康だと寝返りは必要ないのです。身体は骨組みがあり、それを筋肉が支えたり動かしたりしています。背骨って積み木みたいな形をしていますが、積み木はそれ自体の重みと上から重力で抑えられているので安定して積み上げる事ができます。でも横に倒したらバラバラに崩れてしまいます。背骨にも同じような力が作用するので、身体を起こしている時は背骨が安定していますが、横たえると背骨は不安定に崩れそうになります。つまり背骨を支えている筋肉は身体起こしている時より寝ている時の方が緊張が高まるのですが、柔らかい所に横たわるとより崩れるような力がかかる為一層緊張が高まります。同じ姿勢をしているとその緊張がより強くなるので動いて緩めたくなる、それが寝返りです。寝具は身体を安定して支えてくれるような固い素材が良いのです。

 

◎姿勢の取り方◎

初めて行った美容室で技術者5人が仕事をしている姿が見えます。その中で誰に担当してもらうかを選ぶ時、どこを見て判断しますか?その人の髪型でしょうか?服のセンスでしょうか?手際の良さでしょうか?私なら仕事している時の姿勢の良い人を選びます。姿勢を悪く仕事している人は自分の身体を支えるのに力をいっぱい使うので疲れやすく手元もおぼつかなくなりがち、一方姿勢よく仕事している人は疲れにくく手先も器用に操れるので技術力が高いはずです。他の仕事でも、姿勢よく働いている人の方が優れているはずです。つまり普段の生活や仕事での姿勢が奇麗に見えるようにすると、身体は健康で疲れづらく美しくなり、仕事の効率も上がります。物を拾う時は背中を丸めてかがむより、上半身垂直のまま足で姿勢を低くして拾った方が美しいですよね。